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源泉所得税
このページの目的:給与から天引きする所得税(源泉徴収税額)の求め方と、納付の流れを理解する。
基本
会社は、給与を支払うときに所得税(および復興特別所得税)を天引きし、本人に代わって国に納付します。これを 源泉徴収 といいます。
- 毎月天引きするのは 概算 の金額です。
- 1年間の給与が確定する年末に、年末調整 で正しい税額を計算し、過不足を精算します(年末調整)。
毎月の税額の求め方
「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」 を使います。
- その月の給与から 社会保険料等(社会保険・雇用保険の本人負担分)を差し引いた金額を求める。
- その金額を税額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」の行に当てはめる。
- 扶養親族等の数 の列と交わったところの金額が、その月の源泉徴収税額。
(日払い・週払いは「日額表」、賞与は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使います。)
WARNING
税額表は毎年更新されます。必ず最新の税額表を使ってください。
甲欄と乙欄
| 区分 | 対象 | 税額 |
|---|---|---|
| 甲欄 | 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人(主たる給与) | 通常 |
| 乙欄 | 提出していない人(他社が主たる給与など) | 高め |
申告書は、その年の最初の給与支払日の前日までに提出してもらいます。
計算例
数値は説明用です
金額は最新の「給与所得の源泉徴収税額表」で確認してください。ここでは求め方の流れを示します。
前提:役員 A さん、45歳、役員報酬 月額 500,000円、扶養親族なし、扶養控除等申告書 提出済み(甲欄)。
- 社会保険料等を差し引く 500,000円 − 74,750円(社会保険料の本人負担。社会保険 の計算例)= 425,250円
- 税額表を引く 月額表の「425,000円以上 428,000円未満」(表の区切りによる)の行 × 「扶養親族等の数 0人」の列。
- その欄の金額 が、その月の源泉所得税(この給与水準・扶養0人・甲欄なら おおむね2万円前後。必ず最新の税額表で確認)。
扶養親族が1人いる場合は、同じ行の「1人」の列を見る(税額は下がる)。
賞与の源泉所得税
- 前月の給与(社会保険料等控除後)と扶養人数から、「算出率の表」で税率を求める。
- (賞与から社会保険料等を引いた額)× その税率。
納付
| 方式 | 納付期限 |
|---|---|
| 原則 | 徴収した月の 翌月10日 |
| 納期の特例 | 給与の支給人員が常時10人未満で申請した場合、1〜6月分を7月10日/7〜12月分を翌年1月20日 の年2回 |
「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納付書)」で納付します。
入社・退職があったとき
| 場面 | やること |
|---|---|
| 入社 | ・「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらう(提出があれば甲欄)。 ・その年に前職がある人は、前職の「源泉徴収票」を回収する(年末調整で前職分を合算するため)。 |
| 退職 | ・退職日までの給与について、退職後1か月以内に「源泉徴収票」を交付する(本人・税務署・市区町村用)。 ・年の途中で退職し、その年に再就職しない人は、原則 本人が確定申告 して精算する(会社は年末調整しない)。 |
実務での処理(会計入力)
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(給与支払時:天引き分を預り金へ)
借方 未払金 / 貸方 預り金(源泉所得税) 20,000
(納付時:原則 翌月10日)
借方 預り金(源泉所得税) 20,000 / 貸方 普通預金 20,000※仕訳の全体像は 給与(会計入力)。
チェックポイント
- 甲欄/乙欄が正しいか(扶養控除等申告書の提出状況)
- 「社会保険料等控除後」の金額で税額表を引いているか
- 中途入社者から前職の源泉徴収票を回収したか
- 退職者へ源泉徴収票を交付したか
- 納期の特例の対象か(対象なら納付は年2回)
- 年末調整の還付・追徴を、翌年1月(または12月)の納付に反映しているか
よくあるミス
- 社会保険料を引く前の金額で税額表を引いてしまう
- 扶養控除等申告書が未提出なのに甲欄で計算する
- 中途入社者の前職分の源泉徴収票を回収せず、年末調整ができない
- 賞与の源泉を、月額表で計算してしまう